>>24 それは言えてる。1976年から、せいぜい1992年ぐらいまでがこの人の旬だった。
作品でいうと、『暗黒神話』『孔子暗黒伝』『マッドメン』あたり。それで『無面目・太公望伝』が頂点を極める。
『西遊妖猿伝』も虫使いの7人娘が活躍するぐらいまでが奇想天外の構想力で読むのが楽しみだったけど、それ以降は枯渇した感が強い。
プロットも絵さえも雑になり、以前の面影は見られない。伝奇大作を描く力はもう残されていないと言いきってもいいと思うよ。
昔は編集部が何と言おうと、自分が描きたいものを描く、我が道を行く主義を貫いたけど、悲しいかな『迎合』という観念を身につけちゃったのかなあ……。
逆に星野之宣さんは尻上がりに大作を描く力がついてきた。この年のとり方の違いは何なのか……。
まあ、星野さんは勉強家だから大器晩成タイプなんだろうね。昔は緻密な絵を描いたから遅筆だったけど、最近はいい意味で『記号化』してるから
筆の運び自体は速くなったと思うが。
『栞と紙魚子』シリーズなどの不条理ギャグは、この人のエア抜きのつもりで肩に力を抜いた状態でやってるのだが、
純粋なモロ☆原理主義者から言わすと、すごく退屈で読むにたえない。けれどもそれがウケて、女性にも人気に火がついたのだから、
世の中何が当たるかわからないね。好意的に言えば、このシリーズはモロ☆版『うる星やつら』か『ペンギン村』か?
良くも悪くもモロ☆の癖で、この人は1つ1つの作品に対して、丁寧に描くものと、明らかに手を抜く時がある。
中国モノは個人的に気合が入るらしく、いいものを作ってやろうという気概が垣間見えるけど、後期における『妖怪ハンター』なんかは手抜きの感が強い。
今年2月に刊行された『夢見村にて』はまだ丁寧に描いてるふうに見えたものの、それでも全盛期のインパクトには程遠い。
こんな劣化した姿を見せられるのはファンにとって辛いね……。
>新しい世代にはモロの描いてることが感覚的にわからないんじゃないかな
確かに凄味は理解されないだろうね。『暗黒神話』当時のジャンプ連載時ですら、ほとんど理解されなかったのに。
『暗黒神話』における構成の造形美は、ちょっと他ではお目にかかれないと思うが。
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