「右(利き手)を警戒しろ」なんてのはそれこそ新人ボクサーでも頭では知っている事だが、
試合が始まり、その流れの中であらゆる事に配慮するなど不可能。
相手が左ばかり出すのは右を出す為の距離とタイミングを測っているのだと思う一方、
本当は左が主戦力という場合もある(実は左利きだった茂田など)。
実際に戦ってみて、警戒心の比重は流動的になるのは当たり前。
(右を警戒し過ぎて左を貰い過ぎたら間柴・速水・ゲド—戦のようになる)
傍目八目の観戦者が「なんで右貰うんだよ馬鹿」と嘲笑するのは簡単だが、
自分の攻撃も組み立てなければならない中で確かめてもいない武器に
怯え続けて自分の選択肢を減らすのは賢明ではなく臆病とも言える。
まして一歩は、作中でも断トツの耐久性を誇る上に生粋のインファイターであり、
2tパンチを始め千堂や島袋のパンチも耐えた実績がある。
カウンターパンチャー対策を考え、全試合全瞬間耐える準備が出来ている。
現在の一歩は、「主砲を貰っても構わないからインファイトに持ち込む(ボディを撃つ)」という
明確な目標を立てて突進している様子であり、ウォーリー戦と違いそれはある程度奏功している。
実際、一歩はガードの上からでも効くパンチを持っており、右への警戒から
そのステップインが鈍れば、喜ぶのは万能型の相手でしかない。
右をくらうリスクを冒してでも飛び込むのは、一歩にとっても事前計画通りと言う事になる。
宮田が警戒しているのは、一発で意識を断ち切られる可能性がある事。
当然、一歩もセコンドもそれを承知しているが、ピーカブースタイルだから
一発で意識を持って行かれる事は無いと言う自信の元、世界二位に挑んでいる。
「左を意識し続けさせた上で右」と「ボディを意識し続けさせた上で顔」のプラン対決は、
とりあえず一歩側が先に仕掛けてゴンザレスはかわせた。
次に一歩も、「予想通り、予想外の右」をかわせるか(耐えられるか)どうかという所。
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